嫌いになれない

理学療法士でギターリスト

2020.04.17. UP
林 伸浩
【1976年・神奈川県出身】
Writer Profile
高田 滋吉

Written by

Shigeyoshi Takata

Photographer Profile
林 伸浩

Photograph by

Hayashi Nobuhiro

おばあちゃんのオナラが好き

幼少期、やっぱり記憶にあるのは
イジメられたことかなぁ。

ほら! 私、耳が立ってるんです。
自分では「福耳」だと思ってて(笑)

辛い経験の筈なのに、明るく語る林さん。それは、イジメっ子とも最後は仲良くなれたから。仲直りした記憶も無いまま、気づいたら下校後も一緒に遊ぶ友達になっていた。



なんか、どんな人でも
嫌いになれないんですよね(笑)

嫌いな人を数えたらキリ無い筆者からすると、理解に苦しむ。イジメられたら恨みそう。なぜ、林さんは人を嫌わないのだろう?ストレートに尋ねると、林さんは40年以上も昔の記憶を語り出した。



小さい頃、おばあちゃんに
溺愛されてたからかなぁ(笑)

幼稚園に入る前まで、会社寮の1階に住んでいた。祖母と母が、寮母として働いていたからだ。100人近くの独身男性が住んでいて、祖母は寮生たちの母親代わりの存在だった。掃除やご飯の世話を行い、毎晩の夕食後には、寮生たちと一緒にお酒を呑むのが日課だった。

いつも明るい祖母でした。
お酒が入ると、さらに陽気で!

オナラが出そうになると
私をお尻の近くに呼ぶんです(笑)

盛大な音と香りに包まれると、幼かった林さんはキャッキャッと喜んだ。おばあちゃんに呼ばれる度、鼻先を自らお尻に押しつけ大はしゃぎ。

おばあちゃんに溺愛されて
周りの大人たちにも可愛がられ
たくさん、愛情をもらいました。

だから今でも、色んな人たちを
好きになれる気がするんです。



本人いわく、幸せな幼少期、平凡な思春期を経て。大学では、男声合唱サークルに入った。特に動機があった訳ではなく、勧誘されるがままに。男ばかりが美声を鳴らす、歌い手集団の一員になった。

歌や音楽の楽しさを
初めて、教えてもらいました。

男ばかりでワイワイしながら(笑)
家族的で、尊敬できる人ばかりでした。



祖母から教わった、老若男女みんなで楽しむこと。男声合唱サークルは、昔住んでいた男性寮と似た居心地の良さがあったのかも知れない。年齢の上下を超え、ハーモニーを奏でる関係が楽しかった。

そんな大学生活も、中盤に差しかかった頃。
林さんの視界に、将来の夢が初めて現れた。

林 伸浩  Hayashi Nobuhiro
掲載者への応援メッセージ・感想など