EDIT(編集後記)
2019.09.24. UP
宮﨑 有紀
【1993年・愛知県出身】
Writer Profile
高田 滋吉

Written by

Shigeyoshi Takata

Photographer Profile
大坂 千晶

Photograph by

Chiaki Osaka

今回の取材中、宮崎さんが涙を溜めながら話してくれたのは、中学2年当時のエピソードだ。不登校で家に引きこもりがちだったが、校外学習に参加した。行き先は、行き場を失った犬猫などの動物を保護する保健センターだった。

好きな動物に会えると楽しみにしていた。
でも、職員の説明を聞いたら
引き取り手の無い動物たちは処分される...

炭酸ガスや安楽注射などで殺処分されることを初めて聞き、そうした施設を目の当たりにした時、宮﨑さんは涙が止まらなくなったそうだ。心配した先生に別室に連れていかれるほど、泣き続けた。



本来、野生の動物を繁殖させて
ペットとして販売するって
人間のエゴのような気もします。

素直な心境を伝えてくれた。宮崎さんは、動物業界に関わる葛藤や矛盾と向き合っていた。それでも動物が好きだから、動物たちに自分ができることは何なのか? 当事者として考え続けている。今の宮﨑さんの答えは「犬猫以外のペットショップを開業し、多様な命の大切さを広く知ってもらうこと」だ。



もう一つ印象に残ったのは、宮﨑さんの母親に対する感情だ。幼い頃から一緒の時間を過ごせず、家事も料理も自分でこなすしかなかった。貧しさや寂しさから、母親を恨まなかったのだろうか?

何にも媚びず、生きたいように生きる人。
人というより、野生動物みたいな(笑)

でも女手ひとつで、私を育ててくれた。
口じゃなく行動を、尊敬してるのかな。



そんな宮﨑さんは、関わる動物たちを我が子のように感じると言う。しかし人間の親子でも理解し合うのは難しい。まして、宮﨑さんが手がけるペットショップの動物は、爬虫類や小動物だ。意思疎通は難しそうに感じてしまう。



愛情を注ぐほど、必ず返してくれます。
私はそう感じているし、信じています。
動物にも。人間にも。

命に対する前向きな捉え方。宮﨑さんは、自由奔放な母親から受け取ったのかも知れない。そんな宮﨑さんが我が子のように可愛がる、ペットショップの動物たちを見に行ってみたくなった。

宮﨑 有紀 Miyazaki Yuuki
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