憲法学者の道から
在宅医療コンサルタントに

2019.08.31.UP
波村 美絵
【1976年・沖縄県出身】
Writer Profile
高田 滋吉

Written by

Shigeyoshi Takata

Photographer Profile
波村 美絵

Photograph by

Mie Namimura

先生に絵を投げ捨てられる

小学6年生までに、14回も引っ越しました。

半年に1回以上のペース。学校も友達も1年以内に変わっていく。そんな幼少期を過ごした波村さん。つらくなかった?心配したら彼女はこう言った。

自己紹介が、上手くなりましたよ!
自ら黒板に、チョークで名前を書いて(笑)

長い時間をかけて徐々に自分を理解してもらう、そんな期待は持てなかった。そうなると自分の殻に閉じこもりそうだが、波村さんは違った。1年も一緒にいられないからこそ、早く自分を知ってもらおう。そう考え、自ら積極的に発信し、意見も物怖じせず言えるようになった。

そんな小学生時代、波村さんが最も好きだったのは絵を描くこと。転校する度、新しい学校で一番上手いと言ってもらえた。



最も記憶に残っているのは、小学校6年生の引越し。
父親の仕事の都合で、半年前に住んでいた場所に再び戻ってきた。新しい人間関係じゃない分、波村さんにとっては安心できる場所になるはずだった。

引っ越す前に描いた、私の絵が
展覧会で入賞、全校朝礼で表彰されたんです。
私じゃなく、違う子の作品として…

想定外の出来事に、波村さんは唖然とした。
なぜ自分の絵が、違う子の絵になったのか?



あまりにも不可解で、理不尽だった。が、小学生の波村さんは自分でも驚くほど冷静に、先生に経緯と理由を問い質した。すると先生は、クラスメイト達の前で感情的になった。

「だって、あなたは引っ越したでしょ!
  だからクラスの皆に聞いたんですよ。
  Aちゃんの絵として展覧会に出そうって。
  みんなも賛成したわよねっ?!」

 クラスメイト達は、皆うつむいていた。

「絵は返すわよ!」

 そう言われ、絵を投げ捨てられた。


波村 美絵  Namimura Mie
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